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2007年11月12日

   ●物量と割合と距離と時間と流通と

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これだけの量のナピアを集めるのにどれだけ大変か。

何故なら高知だから。
東急ハンズなんて無いし、
トイザらスができたお陰で
個人経営の模型店が軒並み潰れて造形関係の
粘土と言う粘土が町に見当たらない。

むしろ手芸店を回った方が在庫が有るのだけど
なん店舗もの手芸店を回っても1店舗に有るのは
多くても2個3個、ほとんどの場合在庫も無い。
ハッキリ言って移動時間分だけ時間のムダ。

結局、この粘土はネット通販で入手。

必要な物体や用途がわかっているのにそれに合う
現物が無い→ネット通販で注文→
郵送に時間がかかるので待ち時間で制作時間が削られる
→もの作りをしたい人間はみんな地元を出て行く。

トイザらスは、できたものをタダ売るだけの店と考えて相違ない。
ものを作りだすのは都会で、田舎はそれを買えと言わんばかりの勢いだ。
どうやって実際にそれを形にするのかを口づてに伝承する場所としての店舗ではない。
「物知り博士が居るからあそこに行けば絶対良い方法が有る」と言う期待が無い。

物量と割合と距離と時間と流通と人口と技術と世界と個人と...
色んなものの都合であったとしても
日本から手先の器用さ精密さ、そう言う土壌を奪うのは、
大げさに言えば回り回って国力を落とす事になる。

それを解決する1つの手段がインターネットであり、一種の"どこでもドア"だと思う。

しかし、それですら現物を対象とするやりとりでは距離という壁が有り、時間という壁が有る。
一体いつからどこまで段取り良く準備しなくては展覧会1個にしても
作品一つに勝算が取れないのか。

粘土一つにしてもそのような状況なので、電気部品を使う作品などは、
"そのパッと見だけに飛びついてはやし立てがちな情報を操る立場の人間"に殺意を覚えるほど、
「街場の人間から見ればしょうもない仕組みのもの」を作るだけでも、
ものすごい段取りと時間が必要になる。
「知識として知っていて絶対できるはずの事」を現実にやるのに対面で聞きに行く場所すら
なかなかみつからない。
だいたいその相手が見つかった時には時すでに遅く、妥協案を実行するしか無い状態に追い込まれており、
そこからあわてて協力してくれる人々には「何故協力を仰いだのに妥協せざるを得ないのか」を説明しているうちにさらに時間がたち、仕組み以外の作品を成立させる部 分の表現に時間を取らなくてはいけなくなっているのだが、世界が違う人達に依頼をしているようなものなので、なかなか日本語が伝わらないのだ。


もの作りに限らず
情報を公開する側・情報を操作する側に主導権をにぎらせると、世界は狂って行く。
最終的には全体的な個人のレベルの高さが意識の高さに結びつき各個人あっての全体
である以上は、必要以上に一カ所に力を持たせる事は衰退の入口に綱がる。

そう思うと、もの作りの人が自分の手元の作業に時間をさく事で、ネットの世界や外の世界に
接触する時間がどうしても少なくなって行く事は、全体の生き残りをかける戦いとして
大変危険だと思う。


なんだかんだとそんな事を考えながら、
結局私ごときがそんな事を考えた所で、何も変わるわけが無く、
大きなシステムを動かすことができるハズの人々には、もの作りの世界の日本語が伝わらない。
伝えようにも自分が彼らと同じ言語を習得するまで待っていては、人生が終わってしまう。

全くの言語の違い・世界観の違いに
「こりゃぁ先人が”この人らに話しても時間のムダだ”と思うのも当然だ。
言語の通じる人間に呼びかけなくてはものごとは何も変わらない。」
という事だけが手にとるようにわかるようになった。


「もの作りの人間はお金を産み出さないから不要だとされている」
これを壊さなくては何も始まらない。

「生活費を稼ぐための仕事よりも大事なものだが
全く生活費の足しにならないので"世間一般的には職業とされていない事"を承知で、
それでもやり続けなければ守れないもの」
が文化で芸術で、
それはそもそももうからないから国が守って保護していこうとしてた事であって
文化は各土地に根付くもの。
それすら「民間委託理論」によって崩壊させられた今、
ものづくりをする人間自身が守ろうとしなくて誰が守るのだろう。

「利益の理論」によって大型店が地方にやってきて、地域に伝承の地盤すら無くなっていく今、
誰が何を残そうとしなくてはならないのか。
もの作りの人間自身が自らをまとめ・発信しなくては、歴史も記録も無くなって行く。

それがわかっていた所で、人間一人個人個人と言うのは非力なもので、
誰か1人2人が人柱になったところで、ものごとは全然解決しない。

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